検査
超音波検査
超音波(エコー)検査とは人の耳には聞こえない音波を発生させる機械を使って、体の中の臓器を調べる検査です。人体への害や痛みなどがないため繰り返し検査することができます。
心臓エコー
心臓エコーとは
心臓の大きさや動き、血液の流れなどを観察して、心臓に異常がないかを調べます。
検査の流れ
①上半身の服を胸の上まであげていただき、左側臥位に寝ていただきます。
②胸部にゼリーを付け、プローブという器具を当てて検査します。
注意事項
●検査前の飲食は可能です。
Q&A
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仰向けでの検査も可能ですので、遠慮なくお伝えください。
腹部エコー
腹部エコーとは
お腹の中の臓器(脾臓、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、膀胱、大動脈、前立腺、婦人科系)を観察して異常がないかを調べます。
検査の流れ
①上半身の服はお腹が見えるように上げ、下半身の服は腰骨辺りまで下げて、仰向けに寝ていただきます。
②お腹にゼリーを付け、プローブという器具を当てて検査します。
③検査中はお腹の中の臓器を良く観察するため“呼吸”や“体位変換”のご協力をお願いします。(検査技師が声かけを行います)
注意事項
●検査前のお食事は控えていただきます。(大体5時間以上)
●検査内容によっては食事の影響がない場合もあります。
●飲水は可能ですが、コーヒーや牛乳(乳製品)は控えてください。
●可能な限り、尿が溜まった状態が望ましいです(膀胱をよく観察するため)。尿が我慢できない方は遠慮なくスタッフへお声かけください。
Q&A
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個人によって検査依頼が異なります。医師に確認の上、食事の影響を受けない臓器の検査や確認できる範囲での検査は可能です。
血管エコー
血管エコーとは
全身の血管(上肢下肢の動静脈、頚部、腎動脈)を検査して、動脈硬化の程度や狭窄・閉塞がないかを調べます。また、血管の中に血液の塊(血栓)ができていないか、血管が膨れていないかなどを調べます。
検査の流れ
〈上肢〉
①鎖骨~指先の血管を検査するため、上半身の服を脱いでいただきます。
〈下肢〉
①足の付け根~指先の血管を検査するため、下半身の服を脱いでいただきます。足を圧迫したりしながら検査します。
〈頚部〉
①仰向けに寝て、枕を外した状態で検査します。
注意事項
●頚部血管の場合は衣服を脱いでいただく必要はありませんが、首元が出やすい服装が望ましいです。
乳腺エコー
乳腺エコーとは
乳房の中にしこりなどがないかを調べます。乳がんや嚢胞、乳管内の病変を見つけることができます。
数㎜の大きさの小さなしこりも発見できます。
検査の流れ
①上半身の服は全て脱いで、仰向けに寝て検査します。
②片方の腕を上に挙げていただき、乳腺を平らにした状態でゼリーを付け、プローブという器具を当てて検査します。両側の乳房を検査します。
注意事項
●超音波検査で病変が見つかった場合、より詳しい検査のため組織や細胞を採取させていただく事があります。→「穿刺吸引細胞診、エコーガイド下生検参照」
Q&A
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当院では担当技師は女性が対応します。
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特に若年層(20~40代)の方、乳腺に厚みがある方は乳腺が発達していますので超音波検査がオススメです。また、マンモグラフィは乳がん初期の石灰化などを検出するのに適しています。マンモグラフィと併用して検査していただくことで、より正確な検査を行うことができます。
甲状腺エコー
甲状腺エコーとは
甲状腺の腫大や萎縮、しこり(腫瘤)などがないかを調べます。
検査の流れ
①枕を外して仰向けに寝た状態で検査します。
②喉元にゼリーを付け、プローブという器具を当てて検査します。
注意事項
●首元が出せる服装でお越しください。
Q&A
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超音波検査で甲状腺の大きさを測ることができます。
整形領域エコー
整形領域エコーとは
整形外科領域における関節や四肢の痛みなど、機能障害が生じる疾患を超音波を用いて検査します。
検査の流れ
①患部にゼリーを付け、プローブという器具を当てて検査します。
ATP負荷心エコー
ATP負荷心エコーとは
ATP(アデノシン三リン酸)という薬剤を静注しながら、心臓を養っている血管(冠動脈)を拡張させ、安静時との血流を比較する検査です。冠動脈に狭窄(狭い部分)が疑われる症例に有用です。
検査の流れ
①薬剤を投与するため、腕に点滴の準備をします。
②超音波検査で冠動脈を描出し、ATPという薬剤を静注します。
③血流の評価をして検査終了です。
注意事項
●ATPという薬剤を使うと、動悸や胸が熱くなるなどの症状が現れることがありますが、一時的な症状ですので心配ありません。
●検査前にはカフェイン含有の飲食物(お茶やコーヒー)は可能であれば控えてください。
Q&A
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薬剤の投与を中止すれば、数秒で回復することが多いです。
トレッドミル負荷心エコー
トレッドミル負荷心エコーとは
トレッドミル検査と心エコー検査を併せたものです。トレッドミル検査により、心臓に負荷をかけその後の心臓の動きや血流の変化などを評価します。
検査の流れ
①安静時の心臓の状態を超音波で検査します。
②トレッドミル負荷試験を行います。
③負荷後、直ちにベッドへ横になっていただき、負荷直後の心臓の状態を超音波で検査します。
注意事項
●負荷直後の心臓の状態を観察したいため、トレッドミル負荷後はできるだけ速やかにベッドへ移っていただきます。
●息が上がってきつい状態かと思いますが、適切に評価するため数秒の息止めをお願いすることがあります。ご協力お願いします。
超音波による診療支援体制
私たちは医師が行う検査や処置において、超音波を用いてサポートしています。
穿刺吸引細胞診
穿刺吸引細胞診とは
超音波検査で乳腺や甲状腺にしこり(腫瘤)が見つかり、良性か悪性か鑑別診断をするために、しこりの「細胞」を採取して調べ、病理診断を行う検査です。
検査の流れ
①超音波でしこりの位置を確認しながら、細い針が付いた注射器をしこりに刺し、細胞を吸引します。処置は医師が行います。
注意事項
●針を刺すときに少し痛みがあります。
●針を刺して細胞を吸引している間は動かないでください。
●当日、若干出血があるかもしれませんが圧迫していただけると止血します。検査後も止血されていることを確認しますので、ご安心ください。
●穿刺吸引細胞診は簡潔に診断できる検査ですが、細胞数が少ないなど、良悪の判断が困難な場合には、太い針を用いて組織を採取する場合があります。→「エコーガイド下生検参照」
Q&A
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少し痛みを伴いますが、採血時の痛みと同じくらいかと思います。痛みに不安がある場合は局所麻酔を使用することも可能です。
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飲んでいただいて構いません。少し出血があるかもしれませんが、数秒程度の圧迫で止血します。
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可能です。
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細胞の処理や診断に時間がかかるため、結果説明は約1週間後となります。
エコーガイド下生検
エコーガイド下生検とは
超音波検査で乳腺や甲状腺にしこり(腫瘤)が見つかり、良性か悪性か鑑別診断をするために、しこりの「組織」を採取して調べ、病理診断を行う検査です。
検査の流れ
①超音波でしこりの位置を確認しながら、局所麻酔を行い、少し太い針が付いた器具で刺して「組織」を採取します。処置は医師が行います。
注意事項
●局所麻酔を使用しますので、痛みはほとんどありません。
(痛みがある場合は、遠慮なくお伝えください)
●採取する際は、動かないでください。
●場合によっては、少し出血することがありますが、圧迫することで止血します。検査後は止血されていることを確認しますので、ご安心ください。
Q&A
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当日はできるだけシャワーのみでお願いします。
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細胞の処理や診断に時間がかかるため、結果説明は約1~2週間後となります。
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飲んでいただいて大丈夫です。検査後に止血されていることを確認して帰宅して頂きます。後日、少し青あざができるかもしれませんが、数日で消失します。
前立腺生検、PTCD/PTGBD、術中エコーなど
前立腺生検、PTCD/PTGBD、術中エコーとは
前立腺生検:前立腺癌の疑いがある場合に、前立腺の組織を採取して顕微鏡で確認します。その際に超音波画像下で行うことで正確に組織を採取することができます。
PTCD/PTGBD:経皮的胆道/胆嚢ドレナージの略で胆嚢結石や胆管癌などで胆管が閉塞し黄疸が生じた場合、チューブを挿入して胆汁を体外へ排出します。その際に超音波画像下で行うことで確実にチューブを挿入することができます。