済生会みすみ病院として開院20年目を迎えます。
この間、看護部では“地域の方々に信頼される看護の提供”を理念に掲げ、看護を提供してきました。
地域の方々には「みすみ病院があって良かった」とまで言ってもらえるようになり、地域に根付いた病院になっていることを実感し、看護の喜びにもつながっています。
人口減少、高齢化が他地域よりも早いスピードで進んでおり、時代の要請にそって環境変化に対応するための医療・看護について検討し体制の変更を
行ってきました。
中でもこの2年間は新型コロナウィルス感染症が広がりを見せる中で、感染対策のための取り組み強化により、医療提供体制が滞らないよう努力してきました。
人口減少に伴い職員確保もままならない中、多職種協働でチーム医療をすすめ、スタッフ一人一人が看護職の役割とその責任を自覚し、救急医療から回復期リハや在宅支援など、認定看護師をはじめとして幅広く活動しています。
感染予防の観点から地域に出向く健康講座や連携会議などは縮小せざるを得ない状況ですが、住民の方に必要な看護・支援については退院支援カンファレンスなどから、在宅療養支援活動につながればと思います。
ここ数年はワークライフバランス活動により、出産後の職場復帰率はほぼ
100%です。子育てママさんナースが増加し、少子化といいつつ、3人、4人のお子さんを育てながら勤務するスタッフがいる環境ができています。
これは、病院が理想としている長く働き続けられる環境作り(組織)に近づいて来た結果なのではと思います。
集合研修がままならない環境のなか、時間を有効活用できるように、e-ラーニングのシステムも新たに導入し、看護師としてキャリアアップが進むように学習環境の変更も行っています。
今後も、地域住民の方々が、住み慣れた土地で安心して生活できるための支援にむけ、少しでも質の高い看護が提供できるように努力して参ります。
当院における継続教育は、看護師の専門職業人としての役割遂行能力を高
め、患者ケアの質向上を図ることを目的としています。
看護職の資質を向上させ、仕事に対する意欲と満足感を高めるよう、一人一人の成長を願い、看護職員のニーズに応じた学習の支援を行います。
1/個々の職員の学習ニーズと目標を尊重し、専門職業人としての成長・発達を支援し、知識、理論と実践とが統合できるような教育的臨床環境を提供する
2/看護実践を通して、自らが努力し主体的に自分の能力開発を行い、それらを臨床で発揮できるよう援助する
1/病院教育委員会で企画・運営された院内教育プログラムに組み込まれています
2/新人看護師研修、現任教育は、看護部教育委員会が研修のプログラムについて企画・運営・評価を行います。
3/教育プログラムは前年度の研修実施状況、医療情勢の変化や病院の方針を考慮して毎年、見直しを行っています
プリセプター制度をとっており、技術面だけでなく、精神的なサポートを行います。
また、2013年度よりパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を一部導入しています。
当院の実務経験年数においての
看護師キャリアアアップのイメージです。
円滑に職場環境に適応し、看護実践のための正確な知識・技術を身につけることができる。
年間計画に沿って、技術オリエンテーションや研修を行い、早出や遅出、ロング日勤や夜勤など開始しています。
研修(院内) | 研修(院外) | 業務 | |
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4月 | 病院・看護部 オリエンテーション シャドートレーニング(自部署) 技術研修 |
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5月 | 技術研修/患者体験 グループワーク |
済生塾 (WEB) |
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6月 | 疾患別勉強会/ 他部門研修 グループワーク |
済生塾 (WEB) 新人看護師 院外研修 (済生会熊本病院他) |
遅出体験 |
7月 | 疾患別勉強会 シナリオ トレーニング |
新人看護師 院外研修 (済生会熊本病院他) |
ロング日勤開始 |
8月 | 疾患別勉強会 夜勤に入る前に (技術研修) |
新人看護師 院外研修 (済生会熊本病院他) |
早出開始 |
9月 | 疾患別勉強会 | 夜勤開始 | |
10月 | シナリオ トレーニング グループワーク |
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12月 | 症例取り組み | ||
2月 | 症例取り組み発表 | ||
3月 | シナリオ トレーニング 症例取り組み発表 まとめ |
看護実践者としての基本的能力を基盤にして、対象の状況に応じ実践できる能力を養うことができる。
1年目で習得した知識や技術の向上とともに、看護実践能力を高めることができるよう、研修を行っています。
年度初めにはチームメンバーとして、後半にはチームリーダーとしての自身の役割を考え、視点を広げて看護展開できるよう、支援を行います。
研修(院内/院外) | 業務 | |
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4月 | 看護部委員会参加 | |
5月 | メンバーシップ研修 | |
7月 | 2年目フォローアップ研修(病院) 看護理論など院外研修参加 BLS研修 |
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11月 | 症例取り組み 症例発表 |
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2月 | 救外研修 リーダーシップ研修 (グループワーク) |
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3月 | 救外研修 | リーダー業務開始 |
・看護実践者として個別性を重視して技術の提供ができる。
・後輩への支援と共にリーダーシップを発揮できる。
3年目はチームリーダーとして、他職種と協力したチーム医療に視野を広げ、看護展開できるよう支援を行います。また、後輩看護師への指導を積極的に行っています。新人看護師のプリセプターとして、技術面等の指導を行うだけでなく、精神的なフォローを行います。
研修(院内/院外) | 業務 | |
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4月 | 実地指導者 | |
6月 | 看護研究研修(参加) 看護研究計画書作成 |
看護部委員会参加 |
7月 | 看護研究開始 BLS研修 |
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10月 | 他部門研修、救外研修 | |
11月 | リーダーシップ研修 | |
2月 | 救外研修 リーダーシップ研修(グループワーク) |
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3月 | 研究発表 |
みすみ病院では、看護師の発達段階に応じた教育プログラムの整備、看護専門職の責務として継続的に学び、
人として成長し続けることを支援するため、キャリア開発ラダーを導入します。
自己のキャリアについて考える機会をつくることで、自己の振り返り、自分なりの目標を持ち実践していくことにつながります。
笑顔の絶えない職場作りを心掛けながらも、専門分野のキャリアアップができる環境を整えています。
1・2病棟は、呼吸器(肺炎など)・消化器(胃潰瘍など)など、急性期治療を経過し、病状が安定した複数の診療科の患者さんが入院されます。患者さんやご家族が安心でき、また安全に治療を受けていただけるよう他職種と連携しチーム医療の提供を心がけています。
地域包括ケア病床20床を有し、在宅復帰をスムーズに行うために、「地域包括ケア入院治療計画書」に基づいて、効率的かつ積極的に患者さんのリハビリや退院支援をおこなっています。また、地域の施設との連携を強化し、自宅以外の退院先の選定も併せて行い、患者さん・ご家族が安心して、退院後の生活を送ることができるようなサービスの調整を行います。医療依存度の高い患者さんへの退院指導も積極的に行い、胃瘻栄養、口腔内吸引、自己導尿などの退院支援の実績もあります。
3病棟は主に、救急入院患者さんの受け入れを行っております。
疾患別では、内科系と外科系全般・脳疾患の患者さんを主に対応し、外科・整形外科の定期手術から緊急手術の患者さんの受け入れも行っております。
最近は、介護や処置を必要とする高齢の患者さんが多く入院されております。「患者さん・家族の思いを尊重し他職種との連携を強化し退院支援を行う」を病棟運営の重点目標とし、幅広い年齢層の経験豊富な看護師がその経験を生かし看護ケアを行っております。入院初期より、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー、地域のケアマネージャー・訪問看護師・施設、家族と連携を図り、退院支援を行いながら、いつでも救急患者さんの受け入れができるよう、病床の確保も行っております。
急性期の治療を終えられた患者さんにおいては、疾患に応じて回復期リハビリテーション病棟への移動や地域包括ケア病床へ移動していただき、継続した退院支援ができるように関連部署との連携を図っています。
地域の救急医療を担う病院として「断らない救急医療を」心にスタッフ一同日々奮闘しております。
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や大腿骨骨折などの患者さんに対して社会復帰に向けたリハビリテーションを行う専門病棟です。一般病棟とは異なり、専任の医師・リハビリスタッフが配置され看護スタッフなど多職種と共同して計画に基づいた密度の濃い訓練を行います。リハビリでできるようになった事を生活の中で実践できるよう援助しています。患者さんの生活そのものがリハビリなのです。
病棟ではいろいろな場面でカンファレンスが行われます。主治医と担当セラピスト・担当看護師・医療ソーシャルワーカーや管理栄養士などが、患者さんの課題にどう対応していくか話し合いを重ねます。そして、毎月患者さんや家族・担当ケアマネージャーなどを交えてカンファレンスを行い、同じ目標を持ってリハビリに取り組みます。
退院支援は患者さんの希望に添えるよう入棟時から開始します。家屋調査や外出訓練・家族指導や介護サービス調整などをケアマネージャーなどと協働して進めます。
患者さんが希望を持ってリハビリに取り組む姿をみる時、できなかった事ができるようになった瞬間、私たちは大きな喜びを感じる事ができます。人の無限の可能性を実感することもしばしばです。
私たちは今後もそれぞれの職種の専門性を高め、連携を密にし、回復期リハビリテーションの質の向上に努めていきます。
外来には、一般外来、救急外来、内視鏡室、健診センターがあり、手術室の担当もしています。近隣の病院診療所や施設からの慢性疾患患者のご紹介や内視鏡や手術を受ける患者さんが多い状況です。外来の受診時の問診から直接関わり、お話することは、顔見知りとなるため患者さんの不安の軽減につながります。
内視鏡部門では、検査や治療の学習を深め(内視鏡技師免許取得者4名)で患者さんの安全管理を行い検査・治療の介助をしています。さらに、2019年度より内視鏡検査後の組織検査結果説明時には、不安軽減を図る目的で看護師が同席し、継続看護につなぐ体制があります。
健診センターは、予防医療強化のため、ここに来てよかった、また来たいと感じていただけるよう努めています。
手術室は、主に、整形外科、消化器外科の手術が実施されています。骨折患者や癌患者などの手術介助を行います。術前から患者と関わる事で術中・術後看護に活かしています。
また在宅療養支援として、訪問診療の同行や松合診療所への巡回診療、外来化学療法の対応も行っています。
2021年より、AI問診を導入し、働き方改革としてタスクシフトによる効率化をはかり、待ち時間の軽減、患者満足度の向上、院内滞在時間削減による新型コロナ感染リスクの軽減により安心外来の実現を目指します。
患者・家族のニーズを把握し、他部署との連携を図りながら、安全安楽な医療を受けていただくことを目標に取り組んでいます。
地元が三角で実家から近いことや家族が当院で治療を行っていたこともあり、みすみ病院で働きたいと思い志望しました。
学生時代、当院で臨地実習を行い看護師だけでなく他職種の方にもアドバイスをいただくことができ、相談しやすく働きやすい環境だと思い志望しました。また、スタッフの方々が患者さん一人ひとりに対して丁寧に対応しておられ、私もここで患者さんの必要とするケアを提供できる看護師になりたいと思いました。
病棟スタッフは皆さん優しいです。
ONとOFFの切り替えをしっかり行い仕事に取り組んでいます。
私が勤務する病棟では、心疾患や脳血管疾患の急性期、整形外科の周術期など様々な疾患をもつ患者さんが入院しています。緊急入院などもあり忙しい毎日ですが、プリセプターの先輩だけでなく先輩看護師に何でも相談することができ、安心して働くことができます。
入院して治療を頑張った患者様が退院する時の笑顔や「ありがとう」という言葉を頂いた時にやりがいを感じます。
勤務が繁忙なこともありますが、患者さんと話をしたり、ケアを行うなかで「ありがとう」と言われることがあり、看護師になってよかったなと思います。患者さんにとっては長く苦痛にもなる入院生活なので、できるだけ関われる時間を作れるようにしています。また、患者さんの入院時から退院までの経過を経験出来、笑顔で退院される姿を見るととても嬉しくやりがいを感じます。
看護師を目指している学生の方は勉強や実習を精一杯頑張ってください。休むことも大事です。看護師として働く方は学校で学んだことを臨床へ繋げていけるよう病棟スタッフと共に成長していきましょう。
看護師は、大変なことも多くありますが、患者さんからの感謝の言葉や先輩方からのサポートを頂き、日々業務に励むことができています。みなさん、みすみ病院でわたしたちと一緒に働いてみませんか。